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旅のことば 認知症とともによく生きるためのヒント [書籍]



慶應大学・井庭崇研究室と、認知症フレンドリージャパン・イニシアチブの皆さんで作り上げた冊子が、丸善出版より書籍となって発売されました!

旅のことばと言っても、旅行の本ではありません。
認知症となってからの人生が、ひとつの旅である、そんな思いからつけられたタイトルです。
自分や周りの人が認知症となった時、あるいは、地域や仕事を通事じて認知症の人と出会った時、こうしたらよかったよという体験をお聞きし、40のことばにまとめたものです。

認知症は、事件や事故の報道を通じて、とかくネガティブな言葉が流通しがちで、それが認知症について語りにくい環境を生み、スティグマが助長されるという負のスパイラルを生みやすいのですが、この本には、ニュースにするようなことではないけど、こんなことをしたらよかったという小さな物語から紡いだ生き方のパターンが収録されています。

慶應大学・井庭研究室の「旅のことば」のサイト

認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ

認知症について、小さいけれどポジティブな物語が循環する社会へ向けた大事な一冊になるのではないかと思います。最近注目される認知症カフェでこの本をもとに地域の人たちが対話するというのもいいですし、学校の授業でもよい教材になるのではないかと思います。次フェーズは、この本を使って、社会が変わる仕掛けを考えて行きたいと思いますので、ご関心のある方は、ぜひ一緒に、進めて、広げていきたいと思いますので、DFJIまでご一報いただければと思います。

フューチャーセンターをつくろう [書籍]

このブログでも、度々紹介させていただいたフューチャーセンター。
とうとう、フューチャーセンターについての本が出ました。
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フューチャーセンターをつくろう ― 対話をイノベーションにつなげる仕組み

フューチャーセンターをつくろう ― 対話をイノベーションにつなげる仕組み

  • 作者: 野村 恭彦
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2012/04/24
  • メディア: 単行本


私自身、このフューチャーセンターに出会って、
未来への考え方が大きく変化し、様々な出会いが生まれました。
フューチャーセンターは、様々な捉え方ができるので、
未来を考える会社の部署や建物・部屋だと捉えている人もいますし、
ワークショップの方法論だと考えている人もいますが、
私自身は、フューチャーセンターは
未来との関わり方についての思想と技術ではないかと思っています。
さっそくamazonへも以下のような感想を書き込んでしまいました。
フューチャーセンターは、今、多くの企業が抱えている課題、NPOが抱えている課題を解く重要なコンセプトではないかと思います。 企業セクターは、売れる商品やサービスを作ろうとするあまり、市場調査を繰り返し、大差のないモデルチェンジを繰り返してしまったり・・・非営利セクターは、特定の社会的課題にフォーカスにしすぎる余り、事業の持続性が担保できなかったり、「この問題は他の問題よりも重要」と差別化を志向し、財源や寄付など同じパイを他団体と食い合ってしまったりしています。重要なことは、本書で指摘されているように、多様なセクターが対話をすることで、同じ問いを持てる関係性へと発展していくことではないかと思います。 フューチャーセンターという場づくりを実践する人はもちろんのこと、今の日本の社会が前へ進むにはどうすればよいのかエッセンスがが詰まっているので、日本のこれからを考える人には必読の書ではないかと思います。

5月下旬からは、フューチャーセンターウィークが始まり、全国各地で様々なテーマのフューチャーセンターセッションが開催されます。この本を読んで、実際にどこかのフュチャーセンターに参加されてはいかがでしょうか。

認知症フレンドシップから本が出ました  [書籍]

今月、認知症フレンドシップクラブから初めての本が出ました。

医療・介護職や家族としてだけでなく、友人や市民として認知症の人とどう関わりをもてばよいのか?まちぐるみで、サポートできる地域を目指す「認知症フレンドシップクラブ」が、一般の人のサポートのあり方についてまとめました。商店や銀行、交通機関など場面ごとに解説があり、非常に分かりやすく書いてあります。マンガもついています。今までありそうでなかった本です。フレンドシップクラブの理念がつまっていますので、ぜひ、ご覧ください。


認知症の人のサポートブック

認知症の人のサポートブック

  • 作者: NPO 法人認知症フレンドシップクラブ=編
  • 出版社/メーカー: 中央法規出版
  • 発売日: 2011/08
  • メディア: 単行本

【本書の執筆者】
井出訓(放送大学教養学部教授)
松本一生(松本診療所ものわすれクリニック理事長)
田辺毅彦(北星学園大学文学部教授)
内ケ島伸也(北海道医療大学看護福祉学部助教)
西村敏子(北海道認知症の人を支える家族の会事務局長)
宮崎直人(グループホームアウル代表)
大久保幸積(社会福祉法人幸清会理事長)
石川秀也(北海道医療大学看護福祉学部教授)
(執筆順)

【目次】
第1章 認知症の人の現在
第2章 認知症は脳の病気
第3章 心のバリアを下ろそう―私たちの心がまえ
第4章 認知症の人とのかかわり方を学ぼう
第5章 地域で認知症の人を支える町づくり
第6章 認知症の人を支える制度

※サポーター養成講座などでも、参考テキストとして活用される予定です。

ソーシャルイノベーションのこれから  [書籍]


ソーシャル・イノベーション―営利と非営利を超えて

ソーシャル・イノベーション―営利と非営利を超えて

  • 作者: 服部 篤子
  • 出版社/メーカー: 日本経済評論社
  • 発売日: 2010/05/26
  • メディア: 単行本


私が、NPOの世界に踏み入れたきっかけを与え下さった
ソーシャルイノベーション研究者の服部篤子さんの本がでました。

短期的な営利を追求した結果、マーケットの創造ができない営利セクター、
志と気合いだけで燃え尽きる非営利セクター、そもそもそんな区分は意味がなく、
社会的なニーズを感じ取り、内外の組織・個人と連携し、持続的に解決をする
仕組みを作らねばならない、という問題意識が全面に出ています。
現在、私がいるのは、非営利セクターですが、持続的な組織運営(人モノ金)
が当面の課題・・・もっともっと社会を巻き込み、新しいマーケットを創造するように
努めたい、と感じました。

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ちなみに、昨日お会いする機会があったので、
ちゃっかりサインをもらってしまいました!




日本でいちばん働きやすい会社 [書籍]


日本でいちばん働きやすい会社

日本でいちばん働きやすい会社

  • 作者: 土屋 竜一
  • 出版社/メーカー: 中経出版
  • 発売日: 2010/01/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



以前の記事でも書きましたが、沖電気の方と再びお会いしてきました。沖電気の関連会社である沖ワークウェルでは、障害のある方が中心となって、在宅勤務を支えるソフトを使いながら、ホームページの作成などの業務を請負っています。詳細はぜひ、本を読んでみてください。

まだ、認知症の分野でどのように活用できるか具体的なアイデアはないのですが、
私たちNPOがニーズを、企業が技術やノウハウなどのシーズを提示し、いいものができるといいなあと思っています。沖電気のみなさん、今後もよろしくお願いします。

NPO界のマイクロソフトに学ぶ [書籍]


マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

  • 作者: ジョン ウッド
  • 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
  • 発売日: 2007/09/21
  • メディア: ハードカバー


若くしてマイクロソフトのエグゼクティブとなったが、
その生き方に疑問を感じ、退職。
途上国に本や図書館、学校を作る
NPO Room to Readを立ち上げたジョン・ウッド氏の自伝。
これがなかなか学ぶことが多い!

途上国に学校を作ったりするプロジェクトは、日本を含め
様々あるがこの団体がユニークなのは、ビジョンと運営方法です。
多くのNPOが、途上国の悲惨な状況を伝え、罪悪感を材料に、
漠然と寄付を求めるのに対し、Room to Readでは、具体的解決メニュー
を提示します。
・ 2500ドル 女子奨学金10年分
・ 3000ドル 図書室の開設
・ 1万5000~3万5000ドル 学校の建設 など

運営コストは、徹底的に削り(5~10%)、寄付の行き先を完全に把握
できるように公開することで、寄付をする人の満足度を高めることに成功しています。

目標は、「2020年まで1000万人の子どもに、生涯の教育という
贈り物を届けること」。非常に野心的な目標だと思いますが、
2000年の設立以来、310万人以上の子供に教育の機会を提供。
以下のような成果が上がっているそうです。
・832校の学校建設
・7,526ヶ所の図書室/図書館 設立
・334タイトルの現地語児童書(計600万冊以上発行)
・8,786名に女子教育支援プログラム提供

現在の日本のNPO業界は、いいことをしているのだから、
理解してもらって当然という風潮が以前としてあり、
自分たちの手法が、他の手法に比べて、効果的であること
示す作業を怠っているのを強く感じます。
まさに、NPO業界のマイクロソフトというべき Room to Readから、
学ぶことは少なくないのではないでしょうか?

その他、社会起業家向けのオススメ本は、コチラ!



医療に競争は必要か? [書籍]

「医療に競争は必要か?」

こうした問いに多くの人は、
「医療に市場原理はなじまない」
「命はお金では換算できない」
「アメリカの医療が競争の弊害を物語っている」
といった競争に否定的な見解を持っていると思います。

しかし、経営学の大家、マイケル・ポーターは、こうした見解に否と言います。
国にすべてを委ねても多くの問題は悪化するだけ。
むしろ、どういう部分で競争をするか、競争の質に注目すべきだと言います。

医療戦略の本質―価値を向上させる競争

医療戦略の本質―価値を向上させる競争

  • 作者: マイケル・E. ポーター
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2009/06/11
  • メディア: 単行本

著者は、医療システム全体に、診療実績に基づく競争を起こすことで、
医療の提供体制や提供方法を改善しようとする取組みが劇的に
医療の質の向上とコストの削減を達成できるとしています。

評価は、支出あたりの患者にとってのアウトカムということになりますが、
単に患者が生存したかということよりも複雑で、回復に要した時間、生活の質、
治療中の精神状態なども関わるとしています。

この本を読んで、概ね私はこの見解に賛同します。
歴史的に、日本は国民皆保険で、フリーアクセスの高い医療を提供してきたというのは事実で、昔はよかったという人がいるのは理解できます。しかし、少子高齢化と医療の高度専門化(設備投資の増大と、国民の期待値上昇)というトレンドの中で、診療報酬改訂などの微修正は機能していません。自分の受けられる医療には、どのようなものがあり、どのようなことが期待されるのか情報にアクセスをできるようにして、高い費用対効果の医療を選択できるようにすることで、医療サービスに早いフィードバックがいく仕組みにしないといけないと思います。

結局、診療報酬や介護報酬を通じた政策というのは、費用を誰に転嫁するのかという、ゼロサムゲームです。今、必要なのはニーズに対応したサービスを素早く普及させ、競争のルールを変える社会イノベーション(ポジティブサムゲーム)だと思います。

適切な認知症医療や認知症ケアが広がらないのは、個人の努力や個々の経営主体のせいではありません。認知症の診療に時間がかかったり、暮らしの質を改善しても、情報も評価もされないからです。認知症の人と家族への情報提供や相談に取り組む中で、社会イノベーションにつながる、そういった活動につなげていきたいと思っています。

介護は本当に「問題」なのか? [書籍]

正式に6月末で退職し、完全にフリーになりました。
手続きやら、新しく関わっているプロジェクトやらと忙しく、あっと言う間の1ヶ月。
まだ、きちんと退職のごあいさつしていない方々ごめんなさい!

ブログも1月ぶりの更新です。
忙しい(と思っている)時ほど、自分の24時間の使い方が揺れているとき、
あれもこれもやろうとしてどちらも中途半端になっているとき。
自分を貫く芯をしっかりと持つために、忙しい時ほど、本を読み、
忙しい時ほど情報を発信しなくてはいけない。と改めて決意しました。

そこで、読み始めたのが鷲田清一さんの本です。


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老いの空白 (シリーズ生きる思想)

  • 作者: 鷲田 清一
  • 出版社/メーカー: 弘文堂
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 単行本



読み始めると、いきなりガツンと頭を打たれるような問題提起が・・・

<老い>は、「少子高齢化社会」という言葉とともに、わたしたちの時代が抱え込んだ深刻な「問題」として論じられることが多い。わたし自身も、歳とともに、たしかに老い衰えは否みようのないものになってきている。が、これが「問題」だとは、おもわない。


えっ、一体どういうこと!?
こんなに介護を苦にした自殺があり、多くの人が病院や介護施設を転々としているのに問題ではないの!?と思いながら読み進めると・・・
「問題」は、起こらなければそれに越したことはない厄介なもの、面倒なもので、それは解決策を見出すことがなんとしても必要だ。だが、「課題」はそういうものではない。「課題」は、それと取り組むことそれ自体に大きな意味がある。解決とか正解とかがあるのではなく、それとどう向き合うか、それをどう引き受けるのか、そのかたちが、(「問題」のばあいの「解決」にあたる)「課題」への「取組み」そのものなのである。

なるほど、確かにそうだ、そうだ。
子どもを育てるのも、病人を看病したり介抱したりするのも、家族や地域で行う「世話」といういとなみであり、お年寄りの世話もそれと格段に違っているわけではない。(中略)子どもとのつきあいのやっかいさと楽しさ、夫婦関係の悲喜こもごものもつれ、それと異なるところはない。

人間は、介護されつつ誕生し、成育し、しばらくの間自立して-これもほんとうは分業というかたちで支えあいの中にある-、そしてふたたび介護されつつ死にゆく。(中略)だから、問題なのは、それじたい「問題」ではない<老い>が、私たちの社会では「問題」として浮上してこざるをえなくなった、そのことである。

日頃感じていたこと、他の人と議論していたことが、こんなにシンプルな形で提起されるとは驚きました。<老い>を迎える場所がなくなり、<老い>を語る言葉が消え、どこか見えないところ(多くは病室や介護施設)でひっそり死んでいく。

確かに、メディアがよく取り上げる要介護度の判定や介護サービスの質といった事柄も大事なことだが、<老い>が空白になっている社会や地域ののあり方にこそ目を向けるべきだと感じました。
やっぱり本を読むのは、大事だ~!



宝くじ当選者に密かに渡される本 [書籍]

「【その日】から読む本」という本を知っていますか?
みずほ銀行が、宝くじの高額当選者にだけ配布している非売品の本です。
当選したことを誰に伝えればいいのか、当選金の使い道、当選者に分からない悩み・・・
あんなに大勢の人が宝くじを買っているのに、身の回りで当たったという話をほとんど聞かないのは、当選者にこうしたサポートがあるからだったのです。

認知症でも、【その日】から読む本が必要ではないでしょうか。
病名を告げられたその時に、その人を支える情報がまとまった冊子が
病院で渡されればどんなにいいことかと思います。
家族とどう向き合えばいいのか、会社にはなんて言えばいいのか、
本人の気持ちと悩みに寄り添った情報提供のあり方が問われていると思います。



認知症と診断されたあなたへ [書籍]


認知症と診断されたあなたへ

認知症と診断されたあなたへ

  • 作者: 小澤 勲
  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 単行本



先日、著者の黒川由紀子さんと、臨床経験をもつ学生のみなさんにお会いする機会を得ました。
「認知症とは何か?」「認知症の人をケアするには?」ということに本はたくさんありますが、
「自分は認知症かもしれない・・・」「認知症と診断されたがこの先、どうなってしまうのだろう?」
という認知症の方に向けた情報というのは、ほとんど無いのが現状です。
そうした中で、この本は「事実と異なるなぐさめは排しつつも、どのように対処すればいいのか」
かなり具体的に説明しており、当事者の視点に立った点で非常に感銘を受けました。
しかも、お会いした学生さんの声で、本が生まれたそうです。
非常に重要なことでありながら、多くの場合忘れられているこうした視点を保ち、こうした成果物を
作られたことは、本当にすごいことだと思います。

私自身は、一人でも多くの人がこうした情報に出会い、一日も早く対処する術を知るために、
どのような仕掛けが必要かを考えて生きたいと思う。






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