SSブログ

認知症女性に高額販売  [ニュース]

呉服販売会社の社員が、認知症の女性に、判断能力に問題があることを知りながら、
高額の商品を次々と購入させていた事件で、地裁の判決が出ました。



認知症に関する経済被害の研究によると、
認知症であることによって、不要なものを購入してしまったり、水道電気ガスの使いっぱなしなどの経済被害が2兆円強、介護による離職など機会損失も含めると10兆円の損失が推計されています。認知症の人がごく普通にいる社会では、認知症の問題は、本人や家族だけでなく、社会全体にとっても大きな問題となってくることが予想されます。

今、進められている成年後見制度は、こうした事件へ対処するひとつの方法だと思いますが、この問題は見た目以上に複雑で、法律の整備だけでは十分でないと思われます。

例えば、この事件を、ホステスにそそのかされて、3千万円のマンションを買ってあげた会社社長に置き換えると、決してほめられた話ではありませんが、民間同士の取引であり、損害にはなりません。これは、想像でしかありませんが、認知症の女性が、日頃他の人と心を通わせることが難しく、この呉服店の人と心を通わせることができるように感じていたかもしれません。このケースは、金額から言っても、会社員の自覚から言っても事件性があると思いますが、認知症の人が持っている内的な世界を考えたときに、認知症であるからと言って、こうしたお金の使い方全てを否定され、子供のようにお小遣い制にするのがいいのかは、価値判断が分かれるところではないでしょうか?

私個人としては、自分がある年齢になったらとか、あるいは認知機能テストを受けて成績が悪かったら、
財産の使い道を決める権利がなくなるというのは、どうも嫌だな、という気もします。
自己決定権に関しては、世代でも、価値観でも分かれるところですが、認知症に関係したこうしたケースが蓄積していく中で、様々な議論が生まれ、社会として一定のコンセンサスが醸成される必要があるように思います。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。