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【岐阜・恵那市】地域全員野球で”攻めの支援”をスタート #kaigo #ninchisyou [活動日誌]

岐阜の恵那で、今年から素晴らしい取組みが始まりました。

普通、認知症かもしれないと、本人、家族が受診した場合、地域のもの忘れ外来などで、認知症かどうかの判断をしてもらいますが、地域の社会資源などについて教えてもらうことはあまりなく、診察室を一歩出ると、一体これからどうすればいいのか、治療以外の生活や介護サービスに関する情報がなく、本人も家族も途方に暮れてしまいます。その期間は、少なくとも数ヶ月、場合によっては数年に及ぶこともあり、その間に大変精神的にも経済的にも大きな負担を強いられます。

地域の行政や介護事業者と連携し、病院内で早期サポート実現
岐阜の恵那市では、こうしたことを未然に防ごうということで、病院に来た認知症の人・家族で、初診やそれに近い人を対象に、交流会を始めました。都市部の大学病院では、臨床心理士などが担ってこうした取組みをすることがありますが、こうした職種がいて人を当てることができる病院というのは全国的に見て本当に稀です。恵那の病院では、もちろん、こうした取組みに専念できる人はいません。そこで、どうしたかというと・・・病院の外の人を読んできて、病院内で交流会を始めたのです。参加するのは、認知症と診断されたばかりの家族(希望すればご本人も)と、地域包括支援センターの職員、地域で認知症ケアに積極的に取り組む施設のケアスタッフ、
そして、病院のソーシャルワーカーや外来の看護師さんなどが参加します。

認知症と診断を受けた人や家族は、突然、様々な不安や恐れを抱えることになりますが、診察室の中で医師にそれを時間をかけて尋ねたりすることは難しいのが現状です。病院の別のスペースで、数組の家族が集まり、やわらかい雰囲気の中、思ったことを口にでき、それにあった情報やアドバイスを得ることができます。
実際に参加された方で、介護に関する悩みが相談できて表情が明るくなったとか、介護者同士でよく情報交換するようになった、介護サービスの利用につながったという成果も出始めているそうです。

待つのではなく、"攻めの支援”
今まで、こうした不安を抱えた人は多くいた訳ですが、特に問題が顕在化している訳ではないので、そのままになってしまい、結果として早期診断→早期絶望につながることも少なくありませんでした。行政や病院、介護事業者は、介護者がバーンアウトしてしまったり、家族間でトラブルが起こるなど、問題が深刻化した段階になって、介入するのが普通でした。恵那市の取組みは、問題が起こってから解決するアプローチではなく、支援を提供者側からどんどんしかけていく”攻めの支援”だと言えます。潤沢とは言えない地域資源を上手く活用し、”攻めの支援”を実現している素晴らしい取組みだと思います。

きっかけは、専門職や市民同士の対話
こうした素晴らしい取組みは、どのように始まったのか?
実は、私も2年前から参加させていただいている認知症の地域連携を進めるための集まりがきっかけでした。

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参加しているのは、病院の医師、看護師、ソーシャルワーカー、地域の歯科医。それから、地域包括支援センター、社会福祉協議会の方。地域で認知症ケアに積極的に取り組む介護事業者の方。それから、これがすごく大事なのですが、まちづくりや地域の助け合いを担う一般市民の方も入っています。私の所属するNPOも、ファシリテーターとして会に参加させていただいています。

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2年前の当初は、お互いがどのようなことをしているか、あるいは顔さえもしらない人もいたのですが、お互いが抱えている課題やビジョンの共有から始まり、地域の人を呼んで話を聞いたり、作戦を練るブレインストーミングなどをじっくり時間をかけてやってきました。その結果、生まれたプロジェクトのひとつが、早期支援プログラムだったのです。病院の人は意外と気付きにくいこうしたニーズを指摘したのは、ことの性質上対応が後手に回ってしまわざるを得ない介護事業者の人や、様々な事例を知っている一般市民の人でした。ディスカッションの中で、当たり前と思っていることが、気付かない課題を抱えていることに気付いたり、逆に今まで解決策がないと思っていたことに対し、身近に使える社会資源があることに気付いたりと、本当に発見の連続でした。

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集まりは、4月で3年目を迎えますが、地域の皆さんは新たな年度の作戦を練るべく、泊り込んでの合宿もすることになっています。やることになっているので「やらなくてはいけない連携会議」は、各地で数え切れない自治体でやっていますが、まったくの手弁当の集まりで、時間と知恵を持ち寄れば新しいことができるのだと教えてくれます。このパワーで、恵那が認知症の取組みの先進地になる日もそう遠くないのではないかと思います。
地域の連携を進めるNPOとして、引き続きこの取組みの後方支援をさせていただくと同時に、この成果を他の地域にも伝えていきたいと思っています。
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