SSブログ

父を殴ろうとしたことがありますか? 介護家族の体験から考える #kaigo [在宅認知症ケア連絡会]

寝ている父の上に馬乗りになり、なぐろうとしたことがありますか?

こうした問いかけから始まったのは、認知症の父を介護された小黒さんという方の体験のお話でした。介護の専門家である小黒さんは、介護についても、認知症についてもよく知っていたはずなのに、お父さんがレビー小体型の認知症になられたことで、まったく異なる風景を目の当たりにしたそうです。

疎遠になっていた父のもとへ住み込む介護生活が始まり、外へでないよう廊下に寝ながら、夜中の数時間に仕事をしに会社へ行く毎日。頭では症状のことを理解しているつもりでも、ここまで父のためにしているのに・・・感謝の言葉すらない。そうした生活の中、実際には踏みとどまったものの、父に手をあげようとする自分に気付いたそうです。ニュースでよく目にする介護関係の殺人事件は決してあちらの話ではなく、当時の小黒さんがぎりぎりのところで踏みとどまれたのも、たまたまだとおっしゃっていました。

しかし、一方で、こうした生活の中にあっても、父がどのような生き方をしてきて、何を求めているのかを探すことも決してあきらめてはいなかったそうです。介護を通じて、疎遠になっていた父の過去を知り、再び向き合えたとも言います。様々な悔いは残るそうですが、「介護を通じて出会った父の姿」という言葉も印象的でした。

一般論で語る認知症のケアは、非常に論理的で体系的ですが、こうした家族の生の声や想いが反映されていないように思います。この話を聞いた方たち(私も含めて)何をしていかなくてはいけないのか、非常に考えさせられるお話でした。私個人は、家族の介護負担を減らすのが大事というような話ではなく、人と人がつきあうこと、介護というコミュニケーション、親子とは・・・というような結論のない問いを与えられた気がします。家庭の中の話でもあり、後悔も多い中、こうしたお話をしていただいた小黒さんには、深く感謝申し上げたいと思います。小黒さんにもご許可いただき、動画でも配信させていただきますので、ぜひ生の声をお聞きください。





NPO法人「地域認知症サポートブリッジ」主催 2011年9月15日第44回在宅認知症ケア連絡会 ゆうきケアサービス 小黒信也さん 「家族の立場から考える ~介護を通して出会った父」 小黒さんご本人の許可をいただき、ここに掲載させていただきます。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。