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映画で見るアメリカの介護観 #kaigo [番組]

アメリカに行ったことがきっかけで、介護や人生の後半に関する考え方は国によって大きく異なることを実感し、アメリカの介護に関する価値観をもう少し詳しく知りたくなりました。

そんな時に、知り合いの家族会の方から進められた映画がこの2つ。


マイ・ライフ、マイ・ファミリー [DVD]


疎遠だった父が認知症になったことをきっかけに、呼び出された姉妹の話。父を施設に入れることに罪悪感をもつ妹と、自分たちで面倒を見ることはできないという現実派の兄。病院や施設を転々としながら・・・自分たちの人生をも見つめ直していきます。


イン・ハー・シューズ [DVD]


こちらは、介護の話がメインではないのですが、マイアミにあるリッチなシニアコミュニティーが舞台になっています。過去に傷のある老女の下へ、同じく問題を抱えた孫が転がりこんできます。このコミュニティーの人々との出会いを通じて、生きる道を見出していきます。


この2つの映画を見て、老人のあり方が非常に対照的なことに気付きます。
「認知症」ということで、施設にもなかなか入れず転々とする老人、一方で、シニア向けのサービスを享受し、仲間と生き生きとした暮らしを送る老人。これらは、経済的な格差の問題もあり、健康か病気か(特に認知症)という問題でもあります。米国訪問の報告にも書きましたが、お金があり、健康ならば、そこには様々な選択肢があり、人生を謳歌できるアメリカ。しかし、ひとたび、お金がなくなったり、認知症になり、選択する権利主体として認められなくなれば、問題をなんとか対処する施設を転々とせざるを得ないアメリカ。
”自立”した個人が集合した”自由の国”アメリカでは、人生の末期にこのような2つの道があるようです。

転じて日本はどうかと言えば、これほどはっきりした対照はないように思います。
高齢者の生活ニーズをとらえたサービスの供給が少なく、高齢者が豊かな暮らしを送るインフラがあまりない一方で、それほど健康でなくても、お金がなくても、そこそこの暮らしを享受できるように思います。ただし、認知症の場合は別です。暴力や”はいかい”と言われるような行動心理症状が強くでている認知症の人は、病院にも介護施設にも入ることができず、家族が誰にも言えないまま抱え込んでいる状況です。一般的な介護サービスの供給量に関してはアメリカよりもかなりよいと思いますが、認知症に限れば、アメリカと状況はさほど変わらないように思います。

人生の後半に、誰でも起こりうる認知症に関して、どのような考え方が必要なのか、社会でコンセンサスを作り上げていく時期に来ているように思います。

ちなみに、どちらも映画としても完成度も高く、普通に面白かったです。おススメ!

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