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NHKためしてガッテン 「治るタイプの認知症」 [番組]

 ためしてガッテン - NHK.png
http://www9.nhk.or.jp/gatten/

今日の「ためしてガッテン」は、認知症について。
あまり知られていませんが、認知症というのは70種類以上の原因があり、症候群を総称して認知症としています。代表的なアルツハイマー型認知症は、脳の機能が低下し、「根治はできないけれど、症状を遅らせたり、環境の調整で対処することが可能」と言われますが、今日の話は、物理的な原因があるタイプがあり、それを取り除くと劇的に改善するという話です。認知症を治る/治らないという言葉でとらえることによる弊害はありますが、一方で、身体的な原因によって認知症になることもあるというのは、重要な視点です。

これに加え、私がさらに重要だと思っているのは、「認知症だと思っていたけど・・・実は違った」というパターンも少なくないということです。2008年にNHKスペシャルで、私がディレクターとして取材したのもこのケースです。脱水症状などで、一時的に意識レベルが下がり(せん妄)、急にぼけてしまったと家族が思い、精神科の病院に緊急入院するといったことがあります。しかし、これは、体の病気が原因で起こる一時的な現象で、慢性的な症状をもつ認知症ではありません。これらは、体を診る内科と、脳を診る精神科や脳外科などが、縦割りになっていることで、起こってくる訳ですが、残念ながら短期間でその状況を改善するのは困難です。ただ少なくとも、認知症ではないかと疑い受診する場合、常に認知症ではないケースもあるということを念頭に置く必要があると思います。

認知症をめぐる医療の詳しい状況についてはこちら

NHKスペシャル「アレルギーを治せ!」 #iryou #nhk [番組]

NHKスペシャル「アレルギーを治せ!」

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NHK時代に一番長く所属していた番組が、生活ほっとモーニング(現在の「あさイチ」)なんですが、その班の「デキる後輩」が制作しているこの番組。結婚式のお祝いのビデオも作ってもらいました(関係ないか・・・)。

私自身ずっとアトピーとつきあってきたのですが、アレルギーやアトピーに関しては、様々なレベルの情報がとびかい続け、本当に混沌としてきたのが実情です。番組が楽しみです!(生で見られないので、録画で見ます。)

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映画で見るアメリカの介護観 #kaigo [番組]

アメリカに行ったことがきっかけで、介護や人生の後半に関する考え方は国によって大きく異なることを実感し、アメリカの介護に関する価値観をもう少し詳しく知りたくなりました。

そんな時に、知り合いの家族会の方から進められた映画がこの2つ。


マイ・ライフ、マイ・ファミリー [DVD]


疎遠だった父が認知症になったことをきっかけに、呼び出された姉妹の話。父を施設に入れることに罪悪感をもつ妹と、自分たちで面倒を見ることはできないという現実派の兄。病院や施設を転々としながら・・・自分たちの人生をも見つめ直していきます。


イン・ハー・シューズ [DVD]


こちらは、介護の話がメインではないのですが、マイアミにあるリッチなシニアコミュニティーが舞台になっています。過去に傷のある老女の下へ、同じく問題を抱えた孫が転がりこんできます。このコミュニティーの人々との出会いを通じて、生きる道を見出していきます。


この2つの映画を見て、老人のあり方が非常に対照的なことに気付きます。
「認知症」ということで、施設にもなかなか入れず転々とする老人、一方で、シニア向けのサービスを享受し、仲間と生き生きとした暮らしを送る老人。これらは、経済的な格差の問題もあり、健康か病気か(特に認知症)という問題でもあります。米国訪問の報告にも書きましたが、お金があり、健康ならば、そこには様々な選択肢があり、人生を謳歌できるアメリカ。しかし、ひとたび、お金がなくなったり、認知症になり、選択する権利主体として認められなくなれば、問題をなんとか対処する施設を転々とせざるを得ないアメリカ。
”自立”した個人が集合した”自由の国”アメリカでは、人生の末期にこのような2つの道があるようです。

転じて日本はどうかと言えば、これほどはっきりした対照はないように思います。
高齢者の生活ニーズをとらえたサービスの供給が少なく、高齢者が豊かな暮らしを送るインフラがあまりない一方で、それほど健康でなくても、お金がなくても、そこそこの暮らしを享受できるように思います。ただし、認知症の場合は別です。暴力や”はいかい”と言われるような行動心理症状が強くでている認知症の人は、病院にも介護施設にも入ることができず、家族が誰にも言えないまま抱え込んでいる状況です。一般的な介護サービスの供給量に関してはアメリカよりもかなりよいと思いますが、認知症に限れば、アメリカと状況はさほど変わらないように思います。

人生の後半に、誰でも起こりうる認知症に関して、どのような考え方が必要なのか、社会でコンセンサスを作り上げていく時期に来ているように思います。

ちなみに、どちらも映画としても完成度も高く、普通に面白かったです。おススメ!

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NHK福祉ネットワーク 認知症特集 本人の思いから始まる #kaigo  [番組]

先週、NHKの福祉ネットワークで、認知症の特集がありました。
(今週、再放送をやっていますので、是非ご覧ください。)

シリーズ 認知症と向きあう(1) 「太田正博さん いつまでも自分らしく」
シリーズ 認知症と向きあう(2) 「足立昭一さん “働きたい”を諦めない」
シリーズ 認知症と向きあう(3) 「本人の思いに応える医療」
シリーズ 認知症と向きあう(4) 「本人交流会の現場から」

認知症を扱った番組の中で、認知症当事者の声は時折見聞きしますが、番組全体しかも1週間に渡って、本人の思いを聞くところ始めようという強い意思を感じる番組でした。以前番組で見たことがある太田さんや足立さんが今どんな思いで暮らしているのか、そこには前向きの話だけでなく、大きな壁も見て取ることができ、非常によい番組だったと思います。

国や自治体でも、当事者の声を聞こうという姿勢の会が開かれ始めていますが、残念ながら、聞いた声がどのように活かされるのか、グランドデザインがありません。現場の介護事業所や自治体の職員は、その中でできることを必死に模索しています。しかし、認知症になった人が安心して働き続けることができる職場や、生きがいを失わないで介護サービスを受けることをどのように実現できるのか、いつまでも「これからの課題」としておく訳にはいかないように思います。

番組でも取り上げられていましたが、介護保険の利用者は、これまで地域で何か仕事をした時に報酬を受け取ることができませんでしたが、これが今年から有償ボランティアとして報酬を受け取ることができるようになりました。しかし、その報酬は、介護保険の自己負担分を下回る程度の金額でないといけないようです。介護保険を利用している人は、トータルとして儲けてはいけないということなんだと思いますが、一体これはどういう思想に基づいた社会の設計なのでしょうか。自分で100%自立している(と思っている)人か、そうでなければ、100%世話をされる人(対象)という二者択一を迫る設計のまま、細かな規則の改正を繰り返すだけで、これからの社会構造の変化に対応できるとは思えません。

先日、こんな話を友人から聞きました。
古典文学を専門にしていた元大学教授の男性が、認知症になられ、施設に入居されました。記憶に障害があり、出かけても道に迷ってしまうのですが、地域の人に受けた古典について講演をお願いしたところ、それは見事な講義だったでそうです。講義が終了すると、その方に個人的にもっと詳しくお話を伺いたいと、家までお送りしたいという希望者が続出したそうです。本人が「働きたい」と言っているから、「働かせてあげる」ということではなく、病を抱えながら生きる人が、本当の意味で社会に必要とされる社会を作っていく必要があると思います。

最近、NHKの番組では、「治る認知症がある」「新薬で劇的に変わる」といった、嘘ではないけれど、断片的でセンセーショナルな内容の番組が多かった(主に報道系の番組)ので、ちょっと心配になっていたのですが、今回の福祉ネットワークを見て、ちょっと安心しました。
もちろん、本人の声に耳を傾けることから全てが始める訳ですが、これはスタートラインに立ったに過ぎません。
社会のグランドデザインは、福祉や介護の世界だけで考えられるものではありません。分断されている領域をつなげて、どのような社会を描いていくのか、私たちに課せられた宿題です。

福祉ネットワーク、今週、再放送をやっていますので、是非ご覧ください。
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NHKスペシャル「脳がよみがえる~脳卒中・リハビリ革命~」 [番組]

NHKスペシャル「脳がよみがえる~脳卒中・リハビリ革命~」
http://www.nhk.or.jp/special/onair/110904.html
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NHK時代にお世話になった先輩ディレクターが制作した番組です。
半年を超えると回復が困難になるとされていたリハビリの常識が変わりつつある現状を伝えた番組です。
体を直接刺激して、脳の機能を回復させる鹿児島大学の川平教授の取組みや、「ほめる」ことの効果を科学的に分析されていて、非常に興味深い内容でした。今、リハビリに取り組み方々にも希望となったのではないかと思います。

ただ、科学的な可能性については希望を感じられるものの、日本は、リハビリのための病院や専門施設が少なく、急性期の病院とリハビリ施設の連携も不足しているため、こうした恩恵を受けられない人も多くいます。医療そのものというよりは、関連領域程度と見られがちなリハビリですが、こうした科学的な事実の積み重ねから、日本でも十分な体制の整備が進むことを期待します。

それから、余談ですが、認知症のことをやっていると、認知症(あるいは認知機能)に関しても、こうしたリハビリ的なアプローチが有効であると思っていらっしゃる方が結構いますが、これに関しては現在効果が示されている方法はありません。認知症に関しては、医療は、生活を支える社会資源の1つというのが正しい認識だと思います。


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すごいサイトを発見!「認知症がよく分かる動画」 [番組]

友人にすごいサイトを教えてもらいました。

認知症の母を介護するドキュメンタリー映像作家の関口祐加 さんという方が、
日常の様子を動画にしてyoutubeでアップしています。
作りこんだ番組と、単なるビデオ記録との中間くらいで、
母と娘の息遣いが分かるような動画で、なかなか味わい深いです。

作品のすべては、こちらから見られます。



なかでも、いいなあと思ったのが、この作品。

娘 「今、ボケていると思いますか?」
母 「あんたよりは、ボケてないんじゃない」
娘 「おーそれが答え」
母 「(娘の態度への)そう、しっぺ返し」

この言葉こそ、認知症の人が、普通に持つ、自尊心であり、
ユーモアであり、愛情なのだと思います。

「認知症は脳が萎縮して~」というような説明を聞く前に、
こういう姿を見て、息遣いを感じることの方が大切なのではないかと感じさせられました。
是非、診察室だけでしか認知症の人を見ていない医師にも見ていただきたいなーと思います。
今年、この動画をまとめた映画「此岸と彼岸」が完成するとのことで、今から楽しみです!

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プロボノ ~広がる社会貢献のカタチ~ [番組]

最近、いろんな世代の人と話していて、
決定的に違うな~と思うのが、「しごと観」です。
私が仕事を辞めて、NPOを始めたことを話すと、反応が見事に違います。

◆団塊世代(60歳前後)
「えらいなあと思うけど、どうやって食べていくの?」

◆バブル世代(40代後半)
「どうしてやめちゃったの~ もっとがんばれば、デッカイ仕事できたのにね。」

◆就職氷河期世代(30代)
「なんか楽しそうだね ちょっとうらやましいよ」

仕事は食べていくための手段でもあるけれど、
大企業に入って、短期的な企業利益を最大化するためだけに、
むしゃらに働くだけでは生きている手ごたえがない・・・
社会の変化とともにしごとへの考え方も変わってきているように思います。

私は、会社から飛び出してしまいましたが、会社に籍を置いたままでも、
できることはたくさんあります。
最近、注目されているのが・・・プロボノ。

今日放送のクローズアップ現代でも、プロボノが取り上げられます。
http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/yotei/
私が関わっているチャリティーマラソンも、こうしたプロボノによって支えられていますし、
今、元気な社会的企業や事業型NPOを支えているのもこうした人たちの力です。

就職氷河期世代とか、ロストジェネレーションとか呼ばれたりしますが、
私たちの世代も捨てたもんじゃない、そう思っています。
なんか若い人の考えていることが分からないと思っている人も、
会社勤めに疲れて生きづらさを感じている人も必見です!
















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ETV特集 "生存権"を考える 「貧困」と「認知症」 [番組]

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ETV特集 「いま憲法25条"生存権"を考える ~対論 内橋克人 湯浅誠~」

を今、見ています。
お世話になってディレクターの方が手がけた番組です。
憲法によって規定された生存権、そして生活保護という仕組みがありながら、
「自分が生活保護を受給する資格があるとは思わなかった」という若者がいたり、
生活保護を受給することで、落伍者というレッテルが貼られることを恐れ申請しない人がいたり、窓口で追い返されたりする現実。憲法の理念がどこかに置き去りにされ、政府の台所事情や担当部署のノルマ次第で権利がゆがめられる。

国政の建前では、本当に困った人は声をあげ、それが政治的な力になり、修正する方向に行くはずです。しかし、今本当に困っている当事者は、声をあげるのも難しい状況です。湯浅誠さんのような方が、当事者によりそい、問題提起をすることではじめて、社会的な流れになっていくのだと思います。

湯浅さんは、今の社会の有り様を「すべり台社会」と表現していますが、認知症の問題も同じく「すべり台社会」ではないかと思います。病気がもとで、生きる力を失ったり、家族の関係が崩れたり、経済的に困窮する。誰しもがなる可能性がある病にも関わらず、ほとんどの人が現状すら知らない。認知症をはじめ、病気で困った人々の声なき声を届け、多くの人が自分の問題としてとらえることができるようにするには、どうすればいいのか、大きな課題だと思います。


NHKスペシャル 介護保険が使えない ~10年目の検証~ [番組]

NHKスペシャル「介護保険が使えない ~10年目の検証~」を見ています。

介護保険の問題点として指摘されているのが、

(1)必要なサービスが受けられない(需要に供給が追いつかない)
(2)認知症などで、必要なサービスを選択、申請ができない

これを解決するためには・・・

(1)社会で高齢者の生活を支えるというコンセンサスの下、
 介護事業者に内容に見合った報酬が受けられるようにする。

(2)判断力が落ち始める前に、介護、医療、成年後見制度がチームとなり、
 段階に応じて、本人の尊厳を守る措置を講じることが大事になります。

 ドイツなどでは、介護サービスを給付するのではなく、介護度に応じて現金給付をしています。
定められた介護メニュー以外にも、生活をする上でお金を使うこともできます。
こうした制度は一長一短なので、必ずしも現金給付がいい訳ではないかもしれませんが、
現場で起きていることを、すばやく政策に反映させていく仕組みが必要だと思います。

 私自身も、現場の出来事を多くの人が共感できるようにわかりやすく翻訳し、
 社会に訴えていく活動をしていきたいと思います。






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