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企業がコミュニティーづくりの場に!? SHIBAURA HOUSE [活動日誌]

昨日聞いたSHIBAURA HOUSEの話は、とても面白かったです。

広告製版社という会社の自社ビルなんですが、コンセプトが非常にユニーク。
5階建てなのに、自社で働く人のためのフロアは2フロアだけで、あとは地域の人のための空間として開放しているんです。壁面はガラス張り、テラスを抜けて上の階に行く階段・・・オフィスの常識を見事に崩しています。
と言っても、文章ではすごさが分からないと思いますので、まずは映像をご覧ください。



「ユニークな建築」や「地域の中の企業の役割」にも、とても興味を惹かれるのですが、中でも僕が一番面白いと思ったのは、社長の伊東さんが語ったこの建物を作ることになった時代背景と思考のプロセスでした。

こちらの会社は、もともと、様々な機械や紙の在庫を抱え、職人さんなど100人の社員がいたそうですが、仕事にコンピューターが導入され、必要なものがMACとそれを使うオペレーターという時代になり、必要なスペースや人員が大きく減った(現在は20人ほど)そうです。

普通に考えれば、必要なスペースは2フロア分なのであれば、2階建の建物を作るか、5階建てにして3フロアを賃貸するというようなことになるかと思います。しかし、そうではなく、余った場所を地域のための資源として活用できないかと考えたわけです。常識的に考えれば、製版会社は、デザイン会社から発注を受け、言われたとおりに製版を作るということになるわけですが、そうではなく、地域やそれをとりまく人々がこの場所を使って何かできないか、という発想から入り、そこにあとから結果として自社とその人たちの関係が築かれていくという経過をたどったそうです。このスペースを使って、アートのワークショップをしたり、子どもとママさんがお昼を食べたり、様々な企業がイベントを開催するようになり、この会社とも様々な関係が生まれ、新しい発想が生まれています。

経済成長率が鈍化し、少子高齢化を迎える中、今、日本ではモノが余り、空き家が増加し、時間(退職後や若年の失業など)が空いている人が増えています。公共の問題の多くは、財政的な問題もあり、公共セクターだけで解決するのは非常に難しくなっていますが、活用されていないモノ、場所、時間をうまく活用し、コーディネートすることで解決へ道筋をつけることができるのではないかと思います。SHIBAURA HOUSEは、そうしたことをビジュアルに分かりやすく伝えるひとつの象徴ではないかと思います。

「新しい資源を探すのではなく、何か身の回りのもので何かできることはないだろうか?」
非常に示唆に富む問いを投げかけられたように思います。

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