SSブログ

精神科病棟 増える認知症の人 [ニュース]

「精神科病棟 増える認知症の人」<産経新聞 1月7日(金)>の記事が気になります。

認知症の場合、かなり特殊なケースや一時的な措置を除くと、症状そのものが原因で精神科病棟に入院しなくてはいけないという人はいません。では、なぜ精神科病棟に認知症の人が多くなっているのか?

認知症の人が精神科病棟に長期間いる必要はない
それは、他にいくところがない「社会的入院」が多いからです。介護施設や一般病院(精神科ではないところ)で大声を出したり、暴れたりするので、やむなく精神科病棟といった流れがあります。
認知症の人への接し方が分からず家族が家で見るのを諦めてしまう、介護施設のケアの仕方が未熟なために、認知症の方が不安を抱え、大声を出したり、暴力的になるのです。こうした原因に目を向けずに、視界から外れた病棟に追いやろうというのは、一体いつの時代なんだろうと思います。

かつての精神科病棟 地域へという流れ
精神科病棟は、かつて統合失調症(昔「精神分裂病」と言っていた病気です)の人を、社会から隔離する役割を担っていましたが、ここ二十年ほどで徐々に、精神障害のある人を地域に帰そうという流れがでてきました。病気のある人を管理し、不自由のないような生活を与えるというではなく、病気が完全になくならないとしても、地域で働き、家族を持ち、苦しみや悩みも抱えながら生きることが、人として生きていくことだろうという思想です。その結果、精神科病棟にずっといる精神障害の方は大きく減っています。

時代に逆行する認知症の現状
こうした背景をあわせて考えると、精神障害の人の地域復帰にともない、精神科病棟に空きが生じてはじめていて、そこに認知症の人が行くことになっているという構図が見られるように思います。「場所が余っているから、厄介な問題をそこに閉じ込めてしまおう。」もちろん、ひとつひとつの病院に聞けば、こうした発想を肯定するところはないと思いますが、日本全体としてはこうした傾向が生まれる可能性は十分にあります。精神障害の分野で数十年前に起きたことが、認知症の分野で繰り返されるのだとすれば、これは絶対に阻止しなくてはなりません。今後の統計データなども注視していきたいと思います。




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。