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認知症の人との旅で学んだこと  [活動日誌]

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練馬の認知症の会MARINEの皆さんと旅行に行ってきました。
旅行は、普段慣れたところとは違い、ご夫婦だけで行こうとすると、トイレやお風呂の局面で困ることが多く、結構ハードルが高いことの1つです。しかし、今回の企画では、サポーターも一緒に旅行を楽しみながら、時々気付いたところでお手伝いをするという形で、楽しい旅行が普通に実現しました。

なんと言っても、印象的だったのは、本当にみなさんがいきいきとした表情だったということ。
認知症の人というと、表情が乏しかったり、表現が上手くできず、どんなことを考えているのか分からない・・・という印象をもつ人もいると思いますが、この旅行に参加すれば、どの人も、病気の名前や症状の程度に関わらず、自分を表現することができること、ぴったりとはまった役割があれば、とてもいきいきとした表情をできる、ということがよく分かります。私自身、NHKで取材していた時代に、多くの方にお会いしていますが、認知症の方と一緒に旅をして、裸になってお風呂に入ったり、朝方早く起きて一緒にロビーでじっくり話をしたり、といった経験はなかったので、そうしたことを強く感じました。

診察室の中でしか認知症の人と接していない医師や、介護サービスのアレンジしか興味がないタイプのケアマネさんなども、ぜひ参加して欲しいなあと思いました。通常、こうしたサロン活動や趣味や余暇の支援は、介護保険などの制度外のサービスということで、「インフォーマルサービス」と呼ばれていますが、今回の旅を通じて、私はこの呼び名は間違いではないかと思いました。

インフォーマルサービスという名前は、医療や介護、福祉などの公的なサービスがあって、その隙間を埋めているというイメージですが、今回のような旅行だったり、こうしたことを実現できる人の関わりというのは、隙間ではなく、より人の存在にとって根源的なものではないかと思います。人は、一人で独立して生きている訳ではなく、周りの人との関係性の中で生きる網目のような存在です。医療は、その関係性を良好にするために、医学的な見立てを行う補完的なサービスをするものであり、介護サービスも生活と人生を、家族や友人だけ支えられない部分を、社会的に補完する役割なのではないかと思います。医療や介護の重要性は言うまでもありませんが、より本質的な部分を今回の旅で教えられたと思いました。

認知症フレンドシップクラブで進めている旅プロジェクトも、MARINEのみなさんが実現している人のつながりや場の力を参考に、より多くの人に届けられるよう標準化を目指していきたいと思います。人と人のつながりをデザインするような商品・サービス、コミュニティーのあり方を作り変えていく事業を展開していきたいと思います。

それにしても、サポーターとして参加した私が一番元気をもらったような気もします。
旅行に参加されたみなさん、多くのことを教えていただきありがとうございました!
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