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旅プロ 今度はみかん狩り&温泉へ行ってきました #kaigo [認知症フレンドシップクラブ]

「毎週の旅行に行っていて、優雅ですね」という声もいただきますが、
これも、仕事です!と言い切ることにしています・・・。

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さて、1日の秩父に続き、10日には、町田のグループのみなさんと今度は、湯河原温泉に行ってきました。今回は、9名のサポーターさんが参加してくれました。前回は学生さんが多かったのですが、今回は、社会人の方に多く参加いただきました。当日の様子は、参加されたみなさんがブログに書いてくれましたので、そちらをご参照ください。
DFC旅サポ「湯河原温泉&みかん狩り」
湯河原みかん狩り&温泉日帰りツアー

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私が印象的だったのは、お風呂での出来事。
露天風呂に使った認知症の方同士が「天国だね~」と言いあっているのを聞いて、この企画をやって本当によかったと思いました。ある知り合いの方から、お風呂は危ないのでやめた方が意見もいただいたのですが、人は安全のために生きている訳ではないのだと思います。(もちろん、最大限の配慮はしてます・・・)

このツアー後、参加されたサポーターの有志の皆さんが、この日感じたことを持ちより、認知症の人と家族が暮らしやすい社会とは何か?そのために、それぞれが持っている専門性や会社はどのような貢献ができるのか?ということを話す場を話しあってくれました。私は残念ながら、参加できなかったのですが、そこで話し合われた内容を後日伺い、非常に新鮮な視点を感じました。(詳しくはまたご報告します。)医療や介護の現場では、当たり前に思われていることが、一般の人にとってちっとも当たり前ではないということも少なくありません。旅をみなさんが楽しんでくれたことだけでもうれしいことですが、こうした旅を通じて、日頃と違う人と人との関係性が生まれ、これからの未来を作っていくきっかけとなるのであれば、こんなうれしいことはありません。

ある人には、旅は単なる余興や+αでしかないかもしれませんが、場合によってはこれからを作る大きな一歩となるかもしれない・・・そんなことを感じた旅でした。今回の企画に参加されたみなさんに、本当にありがとうございました!

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10/23 シンポジウム「ケア、はたらく、地域の未来」 開催します [認知症フレンドシップクラブ]

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認知症の人のニーズに真摯に向き合っていくと、ケアは閉じられた空間ではなく、地域へ飛び出していき、役割をもって”はたらく”ことへつながっていきます。

一方で、3.11以降、これからの地域には、人と人とのつながりが必要だねーと言いながら、つながりを生み出し、維持していく核となるものがない状況です。

僕は、もしかして、これら2つのことって結びつくのではないかと思っています。認知症の人だけが暮らしやすい地域ではなく、認知症の人を起点に発想する地域の未来を考えていきたいと思います。

ということで、23日のシンポジウム。ケア関係以外の人も聞きごたえのある内容だと思いますので、ぜひ!


シンポジウム「ケア、はたらく、地域の未来」

2011年10月23日 · 11:00 - 12:30
場所  上智大学四谷キャンパス 12号館4F 401教室

今、認知症ケアの世界では、ケアする/されるという一方的な関係ではなく、適切なサポートを受けながらも、認知症の人も何らかの役割を担うこと=はたらくことの重要性が指摘されています。全国には、農業や飲食店、工務店、駄菓子屋などの認知症の人がはたらく試みが広がり、施設内に留まっていたこれまでのケアの常識は大きく変わりつつあります。ケア、はたらく、地域はどこへ向かっていくのか、最前線で取り組むみなさんとこれからを考えます。

<パネラー>
前田隆行(つながりの開代表、元おりづる工務店)
若野達也(古都の家学園前・若年認知症サポートセンター絆や代表)

<コーディネーター>
徳田雄人(認知症フレンドシップクラブ東京事務局)

定員100名 開場10:30

詳細は、チラシをご覧ください。

※訂正とお詫び※
シンポジウム自体は無料ですが、建物全体で開催されている「介護なんでも文化祭」の参加費として別途500円がかかります。事前のご案内の「参加無料」との表記が不正確であったことお詫びいたします。

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旅プロ 秩父へ味覚狩りに行ってきました! [認知症フレンドシップクラブ]

週末に、認知症の人と家族、旅サポのみなさんと日帰りバスツアーに行ってきました。

名付けて「収穫の秋!味覚狩りとバーベキュー秩父日帰りツアー」

認知症フレンドシップクラブと旅行会社がコラボ企画の第二弾として実施しました。
旅サポのみなさんには、事前のワークショップを行い、認知症の人とどのように接したらいいのか、話し合い、考えてきてもらっています。この日参加してくれた旅サポは、大学生と若手社会人のみなさんでした。

集合後、まずはバスの中で、旅サポのみなさんとご本人・ご家族が出会うゲームをしました。お互いにテーマに沿ったインタビューをしたり、お互いの共通点を探したりします。最初は、緊張気味だったみなさんも、話すうちに和やかな雰囲気になり、自然とお互いのことをよく知っていきます。
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この日のメイン企画は、いも堀り。今年はちょっと小ぶりの芋が多いそうですが、みんなで協力して掘ることができました。楽しいことには自然と笑顔が・・・。
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お昼にBBQをして、お腹がいっぱいになった後は、デザートのぶどう狩り。今回の参加者には、果物好きが多く、中には一人で巨峰を6房食べたツワモノも。
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トイレや見守りなど、サポートが必要な時には、ちょっとだけ旅サポの力を借りつつ、基本的にはいろんな世代の人が集まり、お互いを知り、楽しい時間を過ごすことができました。楽しい雰囲気を作り出してくれたご本人、ご家族、旅サポのみなさん、ありがとうございました。
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私たちの旅の一行は、他の人たちからは、どんな風に見えたのでしょうか。

この日の農園には、他にも、子連れの家族だったり、若いカップル、地区の老人クラブなども参加していました。でも、大家族でもないのに、大学生から70代までのメンバーが集まり、一緒に時間を楽しみ、時々必要なサポートをしているという風景は珍しかったのではないでしょうか。

旅行の内容自体は決して珍しいものではありませんが、認知症になると、その人や家族が、こうした当たり前の旅行を楽しむことが難しくなります。それは、物理的なバリアだけでなく、ちょっとした遠慮だったり、周囲の視線だったり、精神的あるいは社会的なバリアも大きく関係しています。

今回の旅行は、来年度からの本格運用に向けたモニターツアーということで、まだ改善すべき点も多いのですが、旅サポの方たちとの出会い、そして旅を通じた交流は、精神的・社会的バリアになにか変化がもたらせるのではないか、そんな気がした一日でした。

先日、別の家族会の方で、長年ご主人を介護され、数年前に看取ったという方がこんな話をしていました。

「認知症になり、仲の良かった主人からの暴言が一番つらかった。いくら、病気のことや本人の不安について理解しているつもりでも、「お前と結婚したことが最大の間違いだった」と言われた時には、本当にショックだった。でも、そんな主人でも、年に何回かのバス旅行に出かけると、旅先では 本当にいい表情をしていた。経済的に余裕はなかったけれど、必死で安いバスツアーを探しては、でかけていました。」

長い日常からすれば、旅は一瞬ですが、一瞬が長い日常に、希望を灯すこともあるのだと思います。まだまだ、クリアすべき課題はありますが、そんな灯がともせるプロジェクトへ発展させていきたいと思います。
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RUN伴 オリジナルソング ができます! [認知症フレンドシップクラブ]

RUN伴の主題歌をプロのバンドが作ってくれることになりました。

大阪を中心に活動する「おかん」というバンドです。
http://wp.rockband-okan.com/
中学時代からの友人だったメンバーで作ったバンドだそうで、以来14年間に渡り音楽活動をしているそうで、すごくまっすぐなメッセージの歌詞と曲がRUN伴にぴったり!

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今年のRUN伴に共感し、奈良から絶大な応援をしてくれた若年認知症サポートセンター「絆や」の若野さんが、知り合いだったおかんのみなさんにRUN伴のことを紹介してくださいました。そして、先日、RUN伴をテーマに音楽を作ってみたいというご連絡をいただき、昨日大阪に打合せに行き、お話しをさせていただき、ぜひ!ということになりました。

「何をしてあげるのではなく、一緒に伴走して生きていける社会」というメッセージをこめた伴という字の意味など、RUN伴のことを精一杯伝えてきました。あとは、おかんのみなさんが感じたことが歌詞となり、メロディーとなり・・・来年春までに音楽を完成させてくれることになりました。とても楽しみです!(ちなみに、来年のRUN伴は、暑い7~8月を避けるため、その前か後にやろうということになっています。)

とてもまっすぐでいい曲を歌っているバンドなので、ぜひ聴いてみて下さい~


~・~・~・~・~・~・~・~・

曲も好きなのですが、もう1つ気に入ったことがあります。
それは、おかんの目標設定の仕方です。

「2013年春に大阪城ホールで、1万人ライブをやる」と決めてしまっているのです。

確かに彼らはライブのチケットは即売になるほど人気がありますが、
大きな事務所に所属している訳ではなく、一見すると時期も限定してしまった目標は無謀な印象も受けます。
でも、彼らはそこに向けて何をしなくてはいけないのかを考え、1つ1つ目標をクリアしながら、音楽活動を続けているそうです。

認知症フレンドシップクラブも、

「2021年までに全国1700の自治体に事務局を作る」ことを目標にしています。

現在のフレンドシップクラブの力では、財政的にも、組織力としても、非常に難しい目標かもしれません。でも、日本全体を本当の意味で、「認知症になっても安心して暮らせる地域」で埋め尽くしたいという目標は、多くの人が共有できるものです。大きな旗を立てれば、そこへ人が集まり、人と人が語れば、そこに知恵が生まれ、大きなうねりになるはずだと思います。今できない理由を挙げることは簡単にできますが、みんなが共有できる夢を提示し、1つ1つステップを踏んでいきたいと思っています。実際に、RUN伴のおかげで、横浜と奈良に新しい事務局が近日立ち上がることになりました!

おかんとフレンドシップ、分野は違いますが、一緒に成長しつつ、歩んで行けるのではないかと感じました。どちらも、引き続き、応援よろしくお願いします!
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「旅サポ」説明会開催しました #kaigo [認知症フレンドシップクラブ]

旅サポの説明会を開催しました。3回開催予定の2回目。

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今回の企画には全部で15名の方にサポーターとして参加いただきます。
福祉を学ぶ学生さん、若手の介護職の方、親の介護も気になる働き盛りの会社員の方、多様な方が集まりました。

説明会と言っても、こちらから何か情報提供をする訳ではなく、参加する皆さん自身のこれまでの経験や持っているイメージについて出し合いながら進める内容です。認知症についてほとんど知らないという方や、認知症の方にあったことがないという方も多くいるのですが、「ありがとうと思うのはどんな時?」「認知症の人ってどんな人(あるいは、どんなイメージ)?」というようなテーマについて、みなさんで話し合っていくと、不思議と、よく知っているつもりの人にも気づきがあるようです。

事務的な説明会を想像して来た方たちもいたのですが、実際説明会に参加して、「気づかされることが多かった」「旅を始める前にこうしたことを考えておくことで、当日が全然違うのではないかと思う」というような感想をいただきました。旅プロのメンバーみんなで一生懸命考えた甲斐がありました~

本番は、1日と10日です。
当日どんな旅の体験になるのか、楽しみです。

旅企画の次回は、いよいよフレンドシップクラブ事務局をまたがった北海道と東京の連動企画を予定しています。東京の人が札幌や函館に行ったり、北海道の人が東京観光やディズニーランドへ行ければよいなーと思っています。開催は来年1~2月頃を検討していますので、お楽しみに!
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父を殴ろうとしたことがありますか? 介護家族の体験から考える #kaigo [在宅認知症ケア連絡会]

寝ている父の上に馬乗りになり、なぐろうとしたことがありますか?

こうした問いかけから始まったのは、認知症の父を介護された小黒さんという方の体験のお話でした。介護の専門家である小黒さんは、介護についても、認知症についてもよく知っていたはずなのに、お父さんがレビー小体型の認知症になられたことで、まったく異なる風景を目の当たりにしたそうです。

疎遠になっていた父のもとへ住み込む介護生活が始まり、外へでないよう廊下に寝ながら、夜中の数時間に仕事をしに会社へ行く毎日。頭では症状のことを理解しているつもりでも、ここまで父のためにしているのに・・・感謝の言葉すらない。そうした生活の中、実際には踏みとどまったものの、父に手をあげようとする自分に気付いたそうです。ニュースでよく目にする介護関係の殺人事件は決してあちらの話ではなく、当時の小黒さんがぎりぎりのところで踏みとどまれたのも、たまたまだとおっしゃっていました。

しかし、一方で、こうした生活の中にあっても、父がどのような生き方をしてきて、何を求めているのかを探すことも決してあきらめてはいなかったそうです。介護を通じて、疎遠になっていた父の過去を知り、再び向き合えたとも言います。様々な悔いは残るそうですが、「介護を通じて出会った父の姿」という言葉も印象的でした。

一般論で語る認知症のケアは、非常に論理的で体系的ですが、こうした家族の生の声や想いが反映されていないように思います。この話を聞いた方たち(私も含めて)何をしていかなくてはいけないのか、非常に考えさせられるお話でした。私個人は、家族の介護負担を減らすのが大事というような話ではなく、人と人がつきあうこと、介護というコミュニケーション、親子とは・・・というような結論のない問いを与えられた気がします。家庭の中の話でもあり、後悔も多い中、こうしたお話をしていただいた小黒さんには、深く感謝申し上げたいと思います。小黒さんにもご許可いただき、動画でも配信させていただきますので、ぜひ生の声をお聞きください。





NPO法人「地域認知症サポートブリッジ」主催 2011年9月15日第44回在宅認知症ケア連絡会 ゆうきケアサービス 小黒信也さん 「家族の立場から考える ~介護を通して出会った父」 小黒さんご本人の許可をいただき、ここに掲載させていただきます。
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映画で見るアメリカの介護観 #kaigo [番組]

アメリカに行ったことがきっかけで、介護や人生の後半に関する考え方は国によって大きく異なることを実感し、アメリカの介護に関する価値観をもう少し詳しく知りたくなりました。

そんな時に、知り合いの家族会の方から進められた映画がこの2つ。


マイ・ライフ、マイ・ファミリー [DVD]


疎遠だった父が認知症になったことをきっかけに、呼び出された姉妹の話。父を施設に入れることに罪悪感をもつ妹と、自分たちで面倒を見ることはできないという現実派の兄。病院や施設を転々としながら・・・自分たちの人生をも見つめ直していきます。


イン・ハー・シューズ [DVD]


こちらは、介護の話がメインではないのですが、マイアミにあるリッチなシニアコミュニティーが舞台になっています。過去に傷のある老女の下へ、同じく問題を抱えた孫が転がりこんできます。このコミュニティーの人々との出会いを通じて、生きる道を見出していきます。


この2つの映画を見て、老人のあり方が非常に対照的なことに気付きます。
「認知症」ということで、施設にもなかなか入れず転々とする老人、一方で、シニア向けのサービスを享受し、仲間と生き生きとした暮らしを送る老人。これらは、経済的な格差の問題もあり、健康か病気か(特に認知症)という問題でもあります。米国訪問の報告にも書きましたが、お金があり、健康ならば、そこには様々な選択肢があり、人生を謳歌できるアメリカ。しかし、ひとたび、お金がなくなったり、認知症になり、選択する権利主体として認められなくなれば、問題をなんとか対処する施設を転々とせざるを得ないアメリカ。
”自立”した個人が集合した”自由の国”アメリカでは、人生の末期にこのような2つの道があるようです。

転じて日本はどうかと言えば、これほどはっきりした対照はないように思います。
高齢者の生活ニーズをとらえたサービスの供給が少なく、高齢者が豊かな暮らしを送るインフラがあまりない一方で、それほど健康でなくても、お金がなくても、そこそこの暮らしを享受できるように思います。ただし、認知症の場合は別です。暴力や”はいかい”と言われるような行動心理症状が強くでている認知症の人は、病院にも介護施設にも入ることができず、家族が誰にも言えないまま抱え込んでいる状況です。一般的な介護サービスの供給量に関してはアメリカよりもかなりよいと思いますが、認知症に限れば、アメリカと状況はさほど変わらないように思います。

人生の後半に、誰でも起こりうる認知症に関して、どのような考え方が必要なのか、社会でコンセンサスを作り上げていく時期に来ているように思います。

ちなみに、どちらも映画としても完成度も高く、普通に面白かったです。おススメ!

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認知症フレンドシップから本が出ました  [書籍]

今月、認知症フレンドシップクラブから初めての本が出ました。

医療・介護職や家族としてだけでなく、友人や市民として認知症の人とどう関わりをもてばよいのか?まちぐるみで、サポートできる地域を目指す「認知症フレンドシップクラブ」が、一般の人のサポートのあり方についてまとめました。商店や銀行、交通機関など場面ごとに解説があり、非常に分かりやすく書いてあります。マンガもついています。今までありそうでなかった本です。フレンドシップクラブの理念がつまっていますので、ぜひ、ご覧ください。


認知症の人のサポートブック

認知症の人のサポートブック

  • 作者: NPO 法人認知症フレンドシップクラブ=編
  • 出版社/メーカー: 中央法規出版
  • 発売日: 2011/08
  • メディア: 単行本

【本書の執筆者】
井出訓(放送大学教養学部教授)
松本一生(松本診療所ものわすれクリニック理事長)
田辺毅彦(北星学園大学文学部教授)
内ケ島伸也(北海道医療大学看護福祉学部助教)
西村敏子(北海道認知症の人を支える家族の会事務局長)
宮崎直人(グループホームアウル代表)
大久保幸積(社会福祉法人幸清会理事長)
石川秀也(北海道医療大学看護福祉学部教授)
(執筆順)

【目次】
第1章 認知症の人の現在
第2章 認知症は脳の病気
第3章 心のバリアを下ろそう―私たちの心がまえ
第4章 認知症の人とのかかわり方を学ぼう
第5章 地域で認知症の人を支える町づくり
第6章 認知症の人を支える制度

※サポーター養成講座などでも、参考テキストとして活用される予定です。

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NHK福祉ネットワーク 認知症特集 本人の思いから始まる #kaigo  [番組]

先週、NHKの福祉ネットワークで、認知症の特集がありました。
(今週、再放送をやっていますので、是非ご覧ください。)

シリーズ 認知症と向きあう(1) 「太田正博さん いつまでも自分らしく」
シリーズ 認知症と向きあう(2) 「足立昭一さん “働きたい”を諦めない」
シリーズ 認知症と向きあう(3) 「本人の思いに応える医療」
シリーズ 認知症と向きあう(4) 「本人交流会の現場から」

認知症を扱った番組の中で、認知症当事者の声は時折見聞きしますが、番組全体しかも1週間に渡って、本人の思いを聞くところ始めようという強い意思を感じる番組でした。以前番組で見たことがある太田さんや足立さんが今どんな思いで暮らしているのか、そこには前向きの話だけでなく、大きな壁も見て取ることができ、非常によい番組だったと思います。

国や自治体でも、当事者の声を聞こうという姿勢の会が開かれ始めていますが、残念ながら、聞いた声がどのように活かされるのか、グランドデザインがありません。現場の介護事業所や自治体の職員は、その中でできることを必死に模索しています。しかし、認知症になった人が安心して働き続けることができる職場や、生きがいを失わないで介護サービスを受けることをどのように実現できるのか、いつまでも「これからの課題」としておく訳にはいかないように思います。

番組でも取り上げられていましたが、介護保険の利用者は、これまで地域で何か仕事をした時に報酬を受け取ることができませんでしたが、これが今年から有償ボランティアとして報酬を受け取ることができるようになりました。しかし、その報酬は、介護保険の自己負担分を下回る程度の金額でないといけないようです。介護保険を利用している人は、トータルとして儲けてはいけないということなんだと思いますが、一体これはどういう思想に基づいた社会の設計なのでしょうか。自分で100%自立している(と思っている)人か、そうでなければ、100%世話をされる人(対象)という二者択一を迫る設計のまま、細かな規則の改正を繰り返すだけで、これからの社会構造の変化に対応できるとは思えません。

先日、こんな話を友人から聞きました。
古典文学を専門にしていた元大学教授の男性が、認知症になられ、施設に入居されました。記憶に障害があり、出かけても道に迷ってしまうのですが、地域の人に受けた古典について講演をお願いしたところ、それは見事な講義だったでそうです。講義が終了すると、その方に個人的にもっと詳しくお話を伺いたいと、家までお送りしたいという希望者が続出したそうです。本人が「働きたい」と言っているから、「働かせてあげる」ということではなく、病を抱えながら生きる人が、本当の意味で社会に必要とされる社会を作っていく必要があると思います。

最近、NHKの番組では、「治る認知症がある」「新薬で劇的に変わる」といった、嘘ではないけれど、断片的でセンセーショナルな内容の番組が多かった(主に報道系の番組)ので、ちょっと心配になっていたのですが、今回の福祉ネットワークを見て、ちょっと安心しました。
もちろん、本人の声に耳を傾けることから全てが始める訳ですが、これはスタートラインに立ったに過ぎません。
社会のグランドデザインは、福祉や介護の世界だけで考えられるものではありません。分断されている領域をつなげて、どのような社会を描いていくのか、私たちに課せられた宿題です。

福祉ネットワーク、今週、再放送をやっていますので、是非ご覧ください。
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NHKスペシャル「脳がよみがえる~脳卒中・リハビリ革命~」 [番組]

NHKスペシャル「脳がよみがえる~脳卒中・リハビリ革命~」
http://www.nhk.or.jp/special/onair/110904.html
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NHK時代にお世話になった先輩ディレクターが制作した番組です。
半年を超えると回復が困難になるとされていたリハビリの常識が変わりつつある現状を伝えた番組です。
体を直接刺激して、脳の機能を回復させる鹿児島大学の川平教授の取組みや、「ほめる」ことの効果を科学的に分析されていて、非常に興味深い内容でした。今、リハビリに取り組み方々にも希望となったのではないかと思います。

ただ、科学的な可能性については希望を感じられるものの、日本は、リハビリのための病院や専門施設が少なく、急性期の病院とリハビリ施設の連携も不足しているため、こうした恩恵を受けられない人も多くいます。医療そのものというよりは、関連領域程度と見られがちなリハビリですが、こうした科学的な事実の積み重ねから、日本でも十分な体制の整備が進むことを期待します。

それから、余談ですが、認知症のことをやっていると、認知症(あるいは認知機能)に関しても、こうしたリハビリ的なアプローチが有効であると思っていらっしゃる方が結構いますが、これに関しては現在効果が示されている方法はありません。認知症に関しては、医療は、生活を支える社会資源の1つというのが正しい認識だと思います。


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